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離婚

離婚(養育費・慰謝料・財産分与)

離婚に関する公正証書

  
   離婚に関する公正証書とは、離婚に際して生じる子供の養育費、慰謝料、財産分与等の給付契約、離婚分割や、子の監護者の指定並びに監護費用を含む婚姻費用の分担及び面会交流等についての合意内容に関し、公証人が作成する公正証書のことです。
一般的には、離婚の合意、子供の養育費、子供との面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割、住所変更等の通知義務、清算条項等、強制執行認諾の各条項を記載します。
このうち、金銭の支払い等の給付契約に関しては、強制執行認諾の条項を公正証書に記載しておくと、裁判所による手続きを経ることなく強制執行することが可能となります。
   なお、公正証書により強制執行をする場合は、予め「送達」という手続きが必要となります。この「送達」等に関する説明については、以下の「送達・執行文付与」を参照願います。

作成の流れ

受付 
 お二人で合意の上、取り交わした書類(「離婚協議書」又は「合意書」など)及び後記に記載の必要書類とともに、メール、FAX又は郵送もしくはご持参にて提出していただきます。
 なお、当事者間で交わした協議書等の作成に至っていない方は、当方で用意する「依頼書」(以下のPDF)をご利用願います。
   また、何かご不明な点がありましたら、事前連絡の際にご確認ください。

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公正証書案の内容確認・検討及び作成日時の調整・決定
   受付後、約1週間程度時間をいただき公正証書案を作成の上、お二人に提示しますので、それぞれに内容確認を行い、その結果を公証人に通知するとともに、作成日時を決めます。
作成当日
 お二人共に実印又は認印(本人確認書類により相違)を持参して、公証センターにお越しください。
   公証人が公正証書をお二人に閲覧させるとともに読み上げ、内容の確認を行います。内容が、お二人の意向と同一ならば、原本に署名押印を行います。
   最後に、公証人から公正証書の原本・正本・謄本の違い等について説明を行います。
   その後、強制執行認諾の条項を公正証書に記載した場合は、公証人による交付送達を行い、謄本の送達に関して債務者から受領書を徴し、債権者には送達証明書を交付して終了となります。

必要書類

本人確認書類(2人とも以下のいずれか1つで可)

①   印鑑登録証明書(3か月以内)
② 運転免許証のコピー
③ マイナンバーカード(個人番号カード)のコピー
④   パスポートのコピーと住民票(パスポートに  
  は、住所表記がなされていないため住民票の
    用意を願います)

夫婦の戸籍謄本(子が記載されているもの)

 既に離婚している場合は、離婚届提出後の2人の新しい戸籍各1通

財産分与や慰謝料について

①   不動産や車等の名義変更を記載する場合
土地・建物の登記事項証明書(登記事項情報でも可)と納税通知書(固定資産証明書でも可)、車の車検証
② 住宅ローンの事前求償
      住宅ローン設定に関する書類等

年金分割

   年金手帳(2人分、年金番号の分かる部分のコピーでも可)と「年金分割のための情報提供通知書」

参考

住宅ローンについて記載する場合
   夫から、財産分与として、住宅ローン返済中のマンション(戸建ても同様)を妻に譲渡する場合、「離婚に伴う財産分与としてマンションを妻に譲渡する。住宅ローンは夫が完済する。返済が完了後、夫から妻への名義変更登記をする。」と約束するのが一般的です。
 このような約束をする場合、夫が住宅ローンの返済を怠った時に備えて、妻が夫に代わって住宅ローンを支払った時は、妻が夫に自己が支払った額を求償できることとし、そのことを公正証書に記載して欲しいとする例がありますが、次のことに留意する必要があります。
 
①公正証書は、金銭等の支払いについて、強制執行することのできる証書であるところに意味があります。そのためには、公正証書に支払うべき金額及び時期が明確に特定して記載されている必要があります。そこで、住宅ローンの返済に関する求償(「妻から、夫に対して立替分を支払え」)について公正証書を作成する場合は、当該物件の登記簿謄本のほかに、毎月の返済額及び返済期間が分かる銀行等作成の「返済額一覧表」、あるいは、そのことが分かる資料(契約成立時の書類)を提出願います。
 しかし、ローン利息が変動利率となっており、公正証書作成時点で毎月の返済金額が定まらない場合は、仮に公正証書を作成したとしても、毎月の返済金額が定まらないため、強制執行することはできません。
 
②毎月の支払金額が一定の場合であっても、裁判所では、事前求償の場合は強制執行できるが、事後求償の場合は、強制執行できないとの扱いをしているので、ご注意願います。
 妻から夫に対する求償は、銀行に弁済した後に行う事後求償が通常ですが、民法は一定の場合には事前求償(妻が夫に代わって毎月、住宅ローンの金額を支払っている場合、その額を事前に求償することをいう)できることを認めていますし、当事者で特約すれば弁済の事前求償が認められます。この事前求償の場合は、金額が一定しますので強制執行が可能となります。
 これに対して、夫が支払わない金額を、妻が銀行に弁済した後で夫に対して請求する場合は、実際に弁済する段階にならないと求償金額が定まらない(夫が銀行に支払ったり、支払わなかったりで、妻の支払うべき金額が定まらない)ので、事後求償の場合は強制執行ができません。
 
③住宅ローンに関する立替払いについて、強制執行できる内容の公正証書作成ができるのは、ローン返済額が一定している場合(変動金利ではなく、固定金利の場合に限る)であって、事前求償についてのみということになります。なお、事前求償権の行使は、弁済期到来後であっても差し支えありません。
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